こんにちは。院長の奥山です。

最近、たまたまそれぞれ別のお家のトイプードルとチワワの子が、数日違いで前肢の橈尺骨を骨折して来院しました。

3.7kgのトイプの子と2.0kgのチワワの子で、骨の太さが3mm〜5mmしかない子達です。

トイ種の子は運動量が多いため、骨が丈夫になろうと骨密度が高なるのですが、そのため柔軟性が低くなりかえって折れやすくなることなど、いろいろな要因が考えられていますが、骨の細さの割に運動量の多い活発な子が多いので、余計に骨折が多くなるのだろうと思います。また成長期では成長板という骨のまだ脆いところで折れたりもするので、若い子では特に要注意です。

椅子から飛び降りたり、抱っこしているところから飛び降りただけで折れてしまったり、ちょっと踏んでしまっただけて折れたりします。

またトイ種の子たちはその活発さのため、術後の安静が難しく、そのことも骨折の治療を難しくしている要因となっています。

くれぐれも活発な性格のトイ種を飼われている方は落っことしてしまったり、踏んでしまったりしないように気をつけて下さい。

トイプードルの子の右前肢のレントゲン写真がこれで、

チワワの子の左前肢のレントゲン写真がこれです。

手先の骨が折れているのがわかると思います。

キャスティング(ギブス固定)をしたり、ピンを使ったり、プレートを使ったり、創外固定といった方法を行ったりして治療するのですが、今回はふたりとも骨が細いのと、手先の所だったので、ピンニングとキャスティング(ギブス固定)を組み合わせて治療を行っていくことにしました。

トイプードルの子の術後のレントゲンがこれです。チワワの子の術後のレントゲンがこれです骨が細いためふたりとも1.2mmのピンを使いました。

トイプの子は生後8ヶ月、チワワの子は2才で、まだまだ遊び盛りなのですが、骨がくっつくまで1〜2ヶ月は厳しい運動制限が大切です。

それぞれ取り外し可能な強固なキャスティング(ギブス固定)を行っています。

ですがお家に帰ってからも厳密な運動制限は必須です。ふたりとも人懐っこくすごくいい子なのですが頑張ってもらいます。

わかい子の大きい事故としては、活発なのでやはり骨折してしまったり、何でも食べてしまう傾向があるので、異物の誤食による腸閉塞や、中毒などがあります。くれぐれも気をつけましょう。

院長 奥山