こんにちは。看護師の奥山美樹です。この春から新しいスタッフが増えたこともあり、外部寄生虫と内部寄生虫の予防について院内セミナーをしていただきました。

ノミ・マダニは体の外にいて悪さをする虫で外部寄生虫と呼ばれます。どちらも1~3mmくらいの小さな虫です。マダニは吸血すると大きく膨らむので気が付くかもしれんせんが、最初のうちは気が付きにくいと思います。ノミ・マダニが寄生すると痒みや皮膚炎の原因になったり、病気を引き起こす可能性もあります。最近ではマダニの咬傷から感染するとされるウイルス感染症でSFTF(重症熱性血小板減少症候群)という全身性感染症がニュースでも取り上げられています。これは重症化すると人の死亡例もある恐ろしい感染症です。

ノミ・マダニともに、体表に寄生して吸血すると卵を産みます。どちらも繁殖力はものすごく、予防をしていないとあっという間にお庭やご近所、家の中など身近な環境下で増えてしまう可能性があります。大事なペットにノミ・マダニが寄生しないように、さらにお友達にもうつさないようにするために定期的に予防をしてあげましょうとの事でした。

フィラリア(犬糸状虫)は体の中にいて悪さをする虫で内部寄生虫と呼ばれます。フィラリアは蚊が媒介する寄生虫です。フィラリアは蚊が吸血するときに犬の体内に入り、最終的に心臓や肺の血管に寄生し、そのままにしていると死に至ることがあります。フィラリアの予防は定期的に行っている飼い主様が多いと思いますが、このお薬は投薬し始める時期と、特に投薬終わりの時期がとても重要です。定期的に飲ませるフィラリアの予防薬は蚊に刺されて体内に入ってきたフィラリアの子虫を駆虫するものです。なので、蚊が出始めてから1か月後には投薬を開始し、蚊がいなくなった1か月後に投薬して、その年のフィラリア予防は終了になります。当院では5月末頃~11月末頃までの予防をすすめています。真夏の時期にしっかり予防していても、最後の投薬を忘れてしまうとフィラリアに感染してしまう可能性がありますので、最後までしっかり投薬してあげましょう!

また、フィラリア以外の内部寄生虫として消化管内寄生虫の犬回虫・犬鉤虫・犬鞭虫の話もしていただきました。消化管内寄生虫の感染経路で共通しているのは経口感染になります。お散歩中など他の子の便をなめたり、食べたりしてしまうと感染する可能性があります。症状としては下痢をすることがありますが、症状が出ないこともあります。当院では、猫3種・5種ワクチン、 犬6種・8種ワクチン接種の時に検便を無料で行っていますので、ぜひ便をお持ちください。

今回のセミナーでは、改めて寄生虫の予防について再確認できました。当院ではそれぞれの寄生虫に合わせた駆虫薬や、いくつかの寄生虫をまとめて駆虫できるお薬などございます。気になることなどありましたら、ぜひご相談ください。

看護師:奥山美樹