こんにちは。看護師の奥山です(*^-^*)

新しい看護師さんも増えたので、みんなでワクチンについて再確認しよう!ということで、ワクチンセミナーをしていただきました。

ワクチン接種をする目的は、病原体に対する特異的な備え(免疫)を人工的に与えて、感染症から守ることです。ワクチン接種をする意義は、ワクチン接種をした子の病気の発症や重症化を予防するという「個人免疫」をつけることと、もう一つ重要なものに「集団免疫」というものがあります。これは、ある集団(地域)で70%の子が免疫をもっていると感染症の流行を抑えることができるというものです。みんなで予防することで、個人免疫に問題のある子を感染症から守ることができるとのことでした。ワクチン接種をすることは、みんなのためでもあるのです。

仔犬・仔猫ちゃんを飼い始めたら、まずワクチン接種をすることが多いと思いますが初年度は数回接種することになります。これは「移行抗体」といって、母親からもらっている抗体があるからです。移行抗体は徐々に減っていくのですが、移行抗体が十分に残っているうちにワクチン接種を行ってもワクチンの効果は十分に得られません。しかし、いつ・どれくらい移行抗体が減っているのかは同腹の兄弟であっても違います。なので数回ワクチン接種を行い確実に免疫をつけれるようにしているのです。何度も病院に行くのは大変だな…と思われるかもしれませんが、感染症にかかってしまうと命に関わります。しっかりワクチン接種をしてあげましょう!

初年度のワクチン接種が終わると、次のワクチンは1年後になります。「海外では3年ごとにワクチン接種しているらしいけど、毎年ワクチン接種しなくちゃいけないの?」という話を聞くことがあります。これは海外と日本のワクチンに違いがあるからだそうです。日本の基本的なワクチンは5種以上などまとめているものがほとんどです。一方海外の基本的なワクチンは5種以下が多いです。このうちの海外の基本的な3種以下のワクチンは3年間効果が認められているので、3年ごとに接種し、それ以外に必要なワクチンはその子のライフスタイルや地域を考慮して、必要なものは追加で毎年接種していることが多いそうです。日本のワクチンについては接種してから1年間は効果があると認められているものになるので、毎年接種する必要があるとのことでした。

他にも「高齢になってもワクチン接種したほうがいいの?」という話も聞きます。これについては、高齢になると免疫が少なくなり、抵抗力が落ちるので体調に問題なければワクチン接種をした方が良いとのことでした。とはいえ、その子の状態や様子により考慮する必要があるので獣医師と相談して決めましょうとのことでした。

今回のセミナーでは日本と海外のワクチンの違いがわかり、勉強になりました。また、海外のワクチン接種率(アメリカ)は80%近く予防されているのに対し、日本では30%にも満たないそうです。ワクチン接種は自分たちの子を守るだけではなく、地域に住んでいるみんなを守るために必要です。感染症にかかってしまうリスクを減らすために、ワクチン接種をしていきましょう!

看護師:奥山美樹