こんにちは。看護師の奥山美樹です(^^) 今回は『皮膚疾患とその食事管理』というタイトルで主にアレルギーについての院内セミナーが行われました。

 皮膚のトラブルで来院されるワンちゃんの約40%が何かしらのアレルギーが原因だと言われており、(犬)アトピー性皮膚炎と食物アレルギーに分けられるそうです。

アレルギーで困っているのは人だけではないんです... まず始めに、皮膚のバリア機能についてのお話です。皮膚の表面部分である角質層がバリア機能の役割を担っています。角質層には角化細胞とその隙間を埋めるように細胞間脂質があり、皮膚の乾燥や異物の侵入を防いでくれています。

いずれは垢となって剥がれ落ちてしまいますが、ここで正常であれば皮膚の細胞がターンオーバー(新陳代謝)することで次の角質層となる皮膚ができていて、バリアが維持されています。 しかし、皮膚のバリア機能が弱くなっていると乾燥や異物の侵入によって皮膚のトラブルを起こしやすくなってしまいます。

これは犬アトピー性皮膚炎の原因になることもあるそうです。なぜなら、犬アトピー性皮膚炎は環境抗原(ハウスダストなど)が原因となるからです。 食物アレルギーは読んで字のごとく食べ物が原因となります。アレルギーと聞くと痒みや皮膚炎を想像されるかもしれませんが、食物アレルギーでは消化器症状として下痢や嘔吐をすることもあります。

冒頭に皮膚トラブルのアレルギーは、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーに分けられると書きました。しかし実際調べてみると、どちらか一方だけの原因というよりはアトピーも食物アレルギーも両方持っているという子が多いという結果になったそうです。

では「アレルギーが疑われる」という時はどうしたらいいのでしょうか? まず、状態によって投薬をする必要もありますが、食事をアレルギーに配慮したフードに変えましょうという事でした。アレルギー用のフードには『食物アレルギーに配慮したタイプ』と『アトピーに配慮したタイプ』のフードがあります。

ただし、フードの効果が出るまでは1~2ヶ月ほどかかりますので短期間で効果がないとやめてしまわないでください。食物アレルギーに配慮されているフードをしばらく与えてみて、効果がないのであればアトピーに配慮したフードに変えてみるのも良いそうです。そして、少し可哀そうだと思ってしまうかもしれませんが、フード以外の食べ物をあげるのもやめましょうという事でした。

アレルギーは生涯付き合っていかなければなりません。最初は大変だと思ってしまうかもしれませんが、良い状態を維持していける方法を見つけて生活の質を守ってあげたいですよね! 

私達も飼い主さんとペットが楽しく毎日を過ごせるように協力していきたいと思います。ちょっとした生活の中に何かしら原因がある事もありますので、些細な事でも獣医師やスタッフに相談してくださいね!

看護師:奥山美樹