こんにちは。看護師の奥山美樹です(*^-^*) 今回のセミナーは『肝疾患に対する食事管理』をしていただきました。肝臓について「沈黙の臓器」なんて呼ばれているのを聞いたことはありませんか? なぜ「沈黙」と呼ばれるのか、そもそも肝臓って何をしているの?というところもこのセミナーで教えていただいたので、ご紹介したいと思います。

  まず、肝臓って何をしているのか・・・大きく5つの役割に分けると、一番有名なのは『解毒作用』ではないでしょうか。薬剤やアルコールなど血中の有害物質を分解して無毒化しています。この他にも『分泌機能』これは胆汁を分泌して脂質の消化を助けています。それから『貯蔵機能』ブドウ糖をグリコーゲンに合成させ貯蔵させます。『代謝機能』もあり、身体に取り入れた栄養素は分解されて肝臓に送られ、それを身体で使える形に肝臓で作り変えて全身に運ばれます。そして『血液凝固機能』これは血液凝固因子を作っています。そう!肝臓は生体の化学工場のような臓器なんです。そして、色々な役割を担っている肝臓には大きな予備能力があり、しかも再生能力が高い臓器です。

  そんな肝臓ですが、なんと全肝細胞の5分の4以上がダメージを受けていても症状を出さずに機能しているそうです。つまり、症状が出たときには肝臓のダメージがかなり進行していることになります。ギリギリまで症状が出てこないために『沈黙の臓器』と呼ばれているのです。

実際に、特に日常生活に変わりはないけれど、年も取ってきたので健康診断してみようかしら・・・と行った血液検査で肝臓の数値が悪くて飼い主様が驚いたということもあります。症状が出てこないところが怖いですよね。

さて『肝疾患に対する食事の管理』ですが、これは少し複雑です。肝臓はほぼ全ての栄養素の代謝に必要不可欠なので、肝疾患では栄養失調になることが多く、栄養欠乏が更に肝疾患を悪化させるという悪循環に陥ってしまいます。そこで栄養学的サポートが重要になります。

先に、食事の管理が複雑だと言いました。というのも重要な栄養素のひとつであるタンパク質を例にすると、摂取したタンパク質がエネルギーとして利用されるとアンモニアが出ます。これを無害化するのが肝臓なのですが、肝機能が落ちていると無害化がうまくされず、高アンモニア血症になってしまいます。それを防ぐ為にもタンパク質を制限したいところなのですが、再生能力がある肝細胞の修復・再生にはタンパク質が必要なのです!つまり、肝疾患がどの程度進行しているかによって必要な食事内容が全く変わってしまうのです。

どの療法食でも言える事ですが、現在のその子の状態をしっかり把握し、獣医師の指導のもと食事を選ぶ事がとても大切なんです! なので、自己判断で食事を選ばずに必ず獣医師に相談して欲しいとの事でした。

今回のセミナーでは「療法食でも状態によって与えるべきではない事がある」という事を教えていただきました。確かに、せっかく選んだ食事が身体に合っていなかったらとても残念ですよね。病気になってしまってからの食事は悩まれる事、わからない事が多いと思います。食事は身体を維持していく上でとても重要です。ちょっとした事でもかまいませんので、ぜひ私達に相談してくださいね(^^)

看護師:奥山美樹